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ここがみんなの会議室。コメントで参加するココラボ2009!「デキゴトが生む家 みんなの脱・n+LDK会議」
11. 9.(Mon)  石田 遼  
COCOLABO 2009 GRAND FINALE

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今回でココラボ2009もとうとう最終回となりました。
全20回、半年間の長い間どうもありがとうございました。
最後に研究を振り返ってそれぞれの回が全体の中でどういう意味を持っていたのかということを
研究ページでは書いていなかった舞台裏に迫りつつまとめたいと思います。

”マイクロパタンランゲージ”、これはFinal Roundのテーマですが、実は研究全体の裏テーマでもありました。コンパクトなマンションユニットの設計ツールとなるランゲージ(=言語)を作ること、これが研究を始めるにあたっての大テーマだったのです。もちろんその背景にはブログでも紹介したアレグザンダーによるパタンランゲージの存在がありました。

パタンランゲージというすこしとっつきにくい言葉をどのようにわかりやすく伝えていくか、そしてなにより設計ツールをつくる、という大きくて漠然とした目標にどのように近づいていくか、そのようなことを考えた時にでてきた言葉が”デキゴト”でした。デキゴトという言葉はアレグザンダー自身eventという語を使っているし、なにより一般の方にもわかりやすいということで”デキゴトが生む家 ~みんなの脱n・LDK会議~”という表テーマが考案されました。ではここで今までのすべての研究テーマを見てみたいと思います。

1st ROUND 「小さなデキゴトから考える」
研究No.1【デキゴト = 行為の重なり】
研究No.2【デキゴトから考えた家】
研究No.3【女性のライフスタイルから考える】
研究No.4【女性のライフスタイルが生む家】

2nd ROUND 「いろいろなデキゴトから考える」
研究No.5「モノとのかかわりから考える」
研究No.6「モノと住む家」
研究No.7「家族の在り方から考える」
研究No.8「家族の在り方が生む家」

3rd ROUND 「デキゴトとカタチの結びつきを考える」
研究No.9「たくさんの家からデキゴトを探そう」
研究No.10「外部とつながるデキゴトを考える」
研究No.11「環境からデキゴトを考える」
研究No.12「共用空間/集合からデキゴトを考える」

4th ROUND 「素材、光、時間、デキゴト」
研究No.13「Material」
研究No.14「Lighting」
研究No.15「時間変化×デキゴト」
研究No.16「時と共に変化する家」

Final ROUND 「マイクロパタンランゲージ」
研究No.17「マイクロパタンランゲージ」
研究No.18「マイクロパタンランゲージによる設計」
研究No.19「マイクロパタンランゲージによる角部屋の設計」
研究No.20 「デキゴト×集合住宅」

これらのラウンドは大きく前期(1・2 Round)/中期(3・4 Round)/後期(Final Round)の3つにまとめることができます。

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前期(1・2 Round)では行為の重なり(=デキゴト)から間取りを考えていきました。女性、収納、家族の在り方など様々な切り口からデキゴトを考え,そこからどのように新しい間取りが作れるのか、ということを考えるとともに、裏テーマとしてはマイクロパターンランゲージの事例を、設計を通じて集めるという段階でもありました。また、読者のみなさんに対しては、”デキゴト”という言葉を通じて少しづつアレグザンダーのパタンランゲージへの導入とする、という意味もありました。

中期(3・4 Round)では前期で扱ったライフスタイルに加え、もっといろいろな視点からコンパクトな住宅を考えるために、角部屋・環境・共用部・素材・光・時間変化などのテーマを設けました。裏テーマはより広範なマイクロパタンランゲージの収集です。研究的な回と間取りを伴った提案的な回を交互にもってくることで全体としてリズムを持たせることも考えました。またブログではパタンランゲージの説明をし、裏テーマへの伏線としました。

後期(Final Round)では満を持して、マイクロパタンランゲージという語を登場させました。ここではまずそれまで集めたパタンを一斉にカタログとして示しました。ここで裏テーマと表テーマが一致することになります。その後はパタンの有用性を調べるためにマイクロパタンランゲージを用いたプロトタイプの設計を行いました。そしてさらに、集合住宅全体を設計することでマイクロパタンランゲージの射程の長さを示しました。ひとつの住戸の中での微細な設計が都市というおおきなスケールでどのように影響を与えうるのかということがビジュアルな形で表わせたのではないかと思います。

このように書いてみるとすべてがはじめから決まっていたようですが、実際には毎回試行錯誤の繰り返しでなんとか最後までたどり着けて一同一安心しているところです。マイクロパタンランゲージは万能のツールではありませんが、多くの可能性を秘めていると思います。その可能性とは、誰もがツールとして使え、そして使うことによってさらに充実したツールになっていく、というところです。実際、研究17でマイクロパターンランゲージを一覧にして紹介した後も、研九18,19,20ではいくつもの新しいパタンが発見されています。パタンランゲージはこのような今流行りのwikiのような性質を持っているのです。(ちなみにwikiはアレグザンダーの理論をもとに作られています!)そういう意味では僕たちの研究はやっとスタートラインに立てた、というところかも知れません。

さて、長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。そしてなにより、今まで応援ありがとうございました。ブログへの書き込み、アンケートの温かい(ときに厳しい)コメント、ワークショップで子供たちからもらった元気、グループインタビューでのみなさんの生の声、それら全部が研究の原動力でした。

このブログを読んでみなさんがもう一度研究を見返してくれれば本当にうれしいです。そしてアンケートやブログにコメントをいただければなおさら!パタンランゲージを進化させていくのはなによりフィードバックなのですから。

最後にもう一度、本当にありがとうございました。

石田

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